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タイトル 久留里の名水守りたい
廃棄物最終処分場の拡張計画
問われる県の対応
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上総掘りの水源に

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 君津市久留里地区には、江戸時代幕末期から昭和にかけて上総堀りで掘られた自噴井戸が二百本以上あったそうです。現在も何本も残っており、豊かな清水を噴出しています。千葉県で唯一「平成の名水百選」として環境省から2008年に認定され、広く知られるようになり、週末などは県内外からこの水を求めて多くの人が集まってきます。ところが、この水源に位置する、大福山(292m市原市)のすぐ西にある管理型廃棄物最終処分場(君津市)の拡張計画が、この名水を脅かそうとしています。危ないのは名水だけではありません。大福山山系から御腹川(おはらがわ)を源流にして小櫃川に合流し、これを飲料水、農業用水に利用している流域4市ほか広範な市民の健康にも多大な影響を及ぼしかねません。
 日本共産党のみわ由美、岡田幸子両県議は1月17日、問題の新井総合施設(株)(以下新井総合)君津環境整備センターの廃棄物処分場を視察しました。これに日本共産党の三浦道雄君津市議、山内かつ子、加藤和夫両市原市議、それと環境を守る地元の人達とともに私たちも同行し取材しました。
 同処分場は、当初から君津市は反対の意向を明らかにしていましたが、第I期埋立処分場(107万?)が2001年に県から許可を受け、2004年4月から埋め立てが始まりました。しかし、2012年1月、2ヶ所のモニタリング井戸から通常より高い塩化物イオン濃度が検出され、漏洩事故が発覚しました。同年2月から廃棄物搬入を停止し、今は維持管理だけをやっています。
 その後、その前から申請していた第II期埋立処分場(93万立方メートル)で2013年1月から廃棄物の埋め立てが始まり、現在7割ほどまで終っています。焼却灰、下水汚泥、残土、放射性廃棄物(kg/8000ベクレル以下)が多量に搬入され、ブルドーザーが行き来する現場は硫化水素のすさまじい悪臭が漂っています。
 ところが、新井総合は2015年7月、さらに第III期埋立処分場(223万立方メートル)の事業申請を県に提出し、地元関係機関との事前協議に入りました。しかし、君津市や水利関係者などとの事前協議が整わず、会社は協議を打ち切り2016年12月7日、県に事前協議取り下げ書を提出すると同時に、同日第III期の事業本申請を提出しました。

全会一致で採択

 君津市との協議が整わなかった事項は5点あります。(1)第I期処分場の改善が解決しない限りIII期に応じられない、(2)同じく河川協議にも応じられない、(3)防災調整池の容量について、直近の観測所の降雨量データに基づいて計算すべき、(4)汚水が漏洩し、久留里の名水の取水層を汚染させる恐れがあるので、地層の実態をボーリング調査を行って確認すること、(5)計画排水の水質を現在のI期、II期の水質以下に緩和することは認められない。以上5点の君津市側からの要求に会社は応じられないというものです。名水をはじめ小櫃川の水を利用している地元住民から見れば譲れないところでしょう。
 「御腹川と久留里地区の水を守る会」・「御腹川沿線公害対策協議会」・「ちば水源愛護会」・「小櫃川の水を守る会」の4団体は、協議不一致(4)の問題に絞って「処分場から久留里までの精密なボーリング調査を行い、安全を確認できない限り、第III期計画はみとめられない」との請願を君津市議会に提出しました。これを提出するに当っては、第III期増設計画のための環境アセス評価書に重大な誤りがあることを具体的に指摘し、新たに見つけた2本の上総堀の地層柱状図等から、廃棄物処分場の露頭にある帯水層が久留里の自噴井戸の取水層に一致する危険性を詳述しています。君津市議会は、全会派・全員一致でこの請願を採択し、これを受けて君津市は、許認可権限を持つ県に対し同趣旨の意見書を提出しました。

求めるのは“安全”

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 請願書の科学的根拠を解き明かした佐々木悠二さんは、「処分場は梅ケ瀬層の露頭にあり、地層の傾斜角度から見て汚染水が上総掘りが取水している地層を汚染する危険性がある」と指摘。また「大地震が来たら処分場は崩壊し、御腹川に流れ込む」と震度6弱で計画された処分場の危険も指摘します。
 小櫃川近くのお寺の住職さんである金森さんは「遮水シートは50年、漏水感知システムは30年の耐久性があると言うが、将来にわたって本当に有効なのか担保がない」と危惧します。小櫃川の会の山田さんは「許可するなと言っているのではない。ボーリング調査をやって安全性を確認してくれと言っているのだ」と強調します。久留里の自噴井戸を守る栗原さんと森さんは「この井戸は世界遺産にもしたい。しかし風評被害が怖い。後世にこの名水を何としても残したい」と切々と訴えました。
 この住民の声に、県はどう応えるのか、注視していきたいと思います。
(文・関口偵雄)
(ちば民報2月5日付)

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