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タイトル アメリカが日本を守るなんて絶対ない――参議院選挙と私の思い タイトル

中川 栄吉さん
中川 栄吉さん
「ちば民報」7月4日付から転載
元千葉県建設業協会副会長
中川 栄吉さん
●建設業界と政治
 私はこの建設業界で45年間役員をして50年間自民党に入ってます。なぜ入っているかというと、建設業というのは公共事業の予算を執行する役所や官僚、政治家に逆らったら仕事を貰えない体質だということです。今でも市川支部の相談役をしています。仕事の関係ではしょうがなかった。でも小泉さんになってからは、一度も自民党の集まりには出てないです。もともと私は革新系の考え方を持っていましたからね。

 建設業は、政官業癒着などとメディアは騒ぎ立てるけど、実際には大変大きな社会貢献をしているんです。災害などの時には重機をもっているから活躍できるし、河川のゴミさらいなどまでやっているんです。会社というのは3分の1は会社の設備投資へ、3分の1は社員へ、3分の1は社会に還元しないといけない。社員を大事にしないのは一番悪い。民主党の小沢さんの献金問題を見てもわかるように、政治家は大手ゼネコンの下請け業者から多額の政治献金をさせ、パーティー券を買わせ、大手ゼネコン側もまた、金の力で政治家を動かすことができると考えている。業者は政治家を利用してはいけないし、政治家は業者を利用してはいけないんです。

 大型公共事業では、資本力や先端技術で県外大手ゼネコンしかできない仕事があります。しかし中小の建設業がやれる工事はいくらでもあるのに、一般競争入札はランク別になり、中小業者は仕事を取りづらい仕組みです。そしてダンピング競争で「安ければいい」と単価を切り下げられるから、まともな業者ほど仕事がとれない。その結果が手抜き工事の横行にも結びつくんです。行政も民間コンサルタントまかせでなく、きちんと職員を養成しないといけない。田舎の道路も交通量の多い道路も同じ単価で、利益のでない地域の工事は入札が成立しないのがたくさん出てしまう。

 京都では蜷川さんという共産党系の立派な知事さんが、協同組合を大切にして育成してきました。不安定雇用、技能労働者の不足、労働災害の多発など、業界として早急な改善が必要ですが、協同組合で力の弱い建設業者が互いに手を組めば大手に対抗できます。学校、橋、生活道路も下水道も放っておかれる状況はおかしい。今、共産党が増えないかぎりだめです。

●枝葉をのばして
 戦争では「天皇の命により」ということでみんな死んでいった。私も「皇国少年」で、学校で国家のため天皇のためという教育を受けていた。たった一年の間に2男が軍隊に志願し、長男が徴兵、私は3番目で17歳で第1期陸軍特別幹部候補生〈特幹〉として入った(特幹という制度は1年半の訓練で飛行機や船舶特攻の要員を養成する制度。戦争体験は「征け大空へ 夢砕かれた軍隊」=中川栄吉著に詳しい※2面に広告)。2男は行って1年3カ月で戦死でした。戦争の体験は、この時代を生きてきた者のつとめとして伝えなくてはいけないと思っています。

 志位さんはアメリカに行ったり、核廃絶でオバマ大統領に親書を送ったりしてとても良いと思う。日米同盟強化でアメリカが日本を守るなんて絶対ない。戦争を知らない人のいうことです。鳩山さんが首相を辞めたのは自分の言葉に何の責任ももたず、スジを通さなかったから。民主党の「事業仕分け」で大切な研究費も大幅に削るようなやり方にはガマンならない。衆議院比例定数を80削減すると言っていますが、少数意見が反映しなくなります。
 それと誰でも、専門バカになっちゃいけない。一回り二回り広い視点で社会も見ていかないとだめです。
 共産党へ言いたいのは、仲間意識は強いけど、そこからより幅広く枝葉をのばして働きかけないと、10%以上は取れないよ。(談)

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