泣きじゃくる十五の君――Angela Akiを聴いて
2009/04/07
☆黒ぶちメガネは誰?
何げなくつけたテレビで、歌う黒ぶちメガネの女性。それがアンジェラ・アキさんだった。
なんと大きなグランドピアノを校庭で奏でて、大勢の中学生と歌っているではないか。そこは、この3月でなくなる、東京の中学校の卒業式らしい。しばらく閉まっていた歌の扉が、開いたような……。知らない歌だけれど、一緒に私も歌った。
☆「僕 死んでしまいたい・・」
耳に挟み、いい歌とは思ったが、忙しさにかまけて気に留めずにきたところ、またテレビでこのソング。そして「泣きじゃくる十五の君」がいた。いじめ?
とても辛そうな少女。その泣きじゃくる場面しか見ることができなかったが、暫くして、私は、なぜか突然思い出した。ある中学校で、「僕、死んでしまいたい……」自分の頭を、廊下に何度もぶつけている男子生徒の傍らで、母親が、呆然と立っていたその光景を。
当時は、わが子も受験期で、他人事ではなかった。高校受験――青春への扉、道は険しかった。
☆『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』
♪今、負けそうで泣きそうで、消えてしまいそうな僕は
誰の言葉を信じ 歩けばいいの?
ひとつしかないこの胸が 何度もばらばらに割れて
苦しい中で 今を生きている
♪ああ負けないで泣かないで 消えてしまいそうな時は
自分の声を信じ 歩けばいいの
♪いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど
笑顔を見せて 今を生きていこう
大人だって哀しくなる。この歌を聴いていると、私も、すっかり《十五の君》になって、涙が出た。幾つになっても 生きることへの問い掛けは変わらぬ。今の私も、同じ気持ち。
ところで私は、彼女のCDを買うまでは、名前をアンジョロ・マキと思い込んで、間違って覚えていたのだ。失礼しました。やはり私は、私だ。
この頁トップへ