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2009/09/06
「ちば民報」09/09/06発行のコラム「県議会傍聴席（302）」から転載
８月という月は 毎日、昼休みのある時間がくると、県庁内に突然、放送が流れる。こめかみの裏側から発したような素頓狂な大声で「8月1日から、アクアラインが800円です」に始まる十数秒のキャッチコピーだ。成人男子の発声としては、もはや奇声に近い。「あれが、"知事"なんだよね〜」と職員も戸惑い顔だ。庁内あちこちの職場で、たとえば県民福祉や教育の遅れの現状を示す深刻なペーパーなど、びっくりして天井まで飛び上がってしまうにちがいない。
その知事が、靖国神社に参拝したそうだ。あの侵略戦争を「聖戦」と美化し、無念の死をとげた兵士を聖なる戦いに報国殉死した英霊として祀りあげる神社で、何を祈ったというのだろう。
6月議会で知事は、最後まで、憲法9条を守るとは言わなかった。過ちは二度と繰り返さないとの国民的決意として9条が生まれた、その過ちであるあの侵略戦争を、聖戦として美化する知事が、確かに千葉県に誕生したのだ。
8月という月は大多数の日本国民にとって、戦争と原爆の悲惨に思いをいたし、平和の尊さをかみしめ、真の世界平和実現への決意を新たにする、特別の月だ。その8月が終わった。
森田知事にとって、アクアライン800円の8月、靖国神社参拝の8月が、終わった。
（Ｘ）
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