千葉県――最低賃金5円上げても生活保護基準より下 　松戸市内の主婦の声です、「昨年暮れから東京日比谷の『派遣村』が話題になったけど、わが家は、屋根はあっても『派遣村』とおんなじよ」「建設業の夫も仕事がなくなり、パ一トの私は、働いても働いても、高校生と変わらない……」。 　全国でも、千葉県でも、最低賃金スレスレで、『派遣村』状態というのも、その通りです。この「働く貧困層」の怒りが、自民・公明政権を退場に追い込んだ、大きな要因になったとも言えます。 まだある、生活保護基準との「逆転現象」 　9月2日付の「しんぶん赤旗」によると、地方審議会の答申が出揃い、地域別最低賃金が明らかになりました。千葉県の最低賃金は、5円引き上がるものの、生活保護基準よりまだ5円低い実態（2日付「しんぶん赤旗」記事の表「最低賃金の改定額（円）」の中の「生活保護とのかい離額」欄参照）には、愕然とします。もともと低いし、上げ幅もわずか5円ですから、依然深刻です。 　別表のとおり、12の都道府県では、引き上げても、生活保護基準より低い額なのです。生活保護基準そのものが低いことが問題なのに、それよりも低い最低賃金など、全く許されません。全労連の伊藤調査局長は「最低賃金の基準とされるべき最低生計費が、不況を口実にして軽視され、最低賃金との逆転現象解消が求められる生活保護基準についても低く見積もったことが背景にある」と指摘しています。 千葉の最低賃金は、年収で131万円 松戸ハロ一ワ一ク前での対話 　一体いくらで、生きていけ、というのか。計算をしてみました。千葉県では、これまでは723円の時給で、年収は130万1400円（年1800時間、税込み）でした。今回5円上がって、728円の時給で、年収は131万400円。したがって年収が9000円、月収が750円上がっただけです。 　人権侵害も、甚だしいではありませんか。ますます深刻な貧困解消のためにも、まずは大幅に引き上げること、緊急に時給1000円以上にすることは当然ではありませんか。全国バラバラの仕組みも見直し、全国一律の制度を導入するなど、抜本的な格差解消が必要です。 ○参考 ＊2日付「しんぶん赤旗」記事の表「最低賃金の改定額（円）」