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タイトル 【2005年 9月県議会】代表質問 1回目A(05/10/05) タイトル

(5)公害行政について
●次に公害行政について質問します。JFEスチール・旧川鉄による汚染物質の垂れ流しと測定データの改ざん事件が世論のきびしい批判をあびたのは、2月のことでした。これほど悪質な事件はかつて存在しなかった、と県自身が認める違反行為が、千葉県を代表する企業で長期にわたり反復継続されていたのですから、これは県の公害行政の根本的な建て直しを迫る事件だったと言っても過言ではありません。公害行政には、やっぱり住民参加の監視の目が必要だ、この見地からわが党は、公害防止協議会の創設を提案しましたが、県は拒否いたしました。ところがその県の姿勢をあざ笑うかのように、同様の違反事件が昭和電工、王子コーンスターチ、不二サッシと相次ぎ、収まる気配がありません。
■まさに県の公害行政の権威は失墜し、その信頼は地に落ちたと言わざるを得ませんが、知事はその事実をお認めになるのかどうか、この事態を招いた責任はきわめて重いと考えますが、最初に基本認識をうかがいます。
 住民参加の監視の目を、というわが党の提案をめぐり、県との間で論争になったのは、紳士協定とは何か、という問題でした。公害防止協定は紳士協定、だからあくまで企業が自主的、自発的に取り組むもので、監視されて行うものではない、これが県の建前です。これは、たとえ法によるしばりはなくとも、協定当事者が互いに紳士としての良識にもとづいて協定事項を誠実に実行する、言わばお互いの信頼と善意、高いモラルが前提となっています。しかし、測定しなかった排水データを「測定した」といつわり、測定して基準値を超える結果が出ればそれを基準値内に改ざんして「合格でした」と報告する、こんなでたらめきわまる行為を繰り返す者が、言葉の最も素朴な意味において「紳士」の名に値しないことは明らかです。■だとするなら、大前提が崩れ去った紳士協定の大本にメスを入れて、企業の善意にたよるだけではない、実効ある仕組みを立ち上げることが必要なときに来ているのではありませんか。知事の見解をうかがいます。
 6月議会の論戦において、環境生活部長は、「協定に違反するということは、企業自身が社会的な信用をみずからの手で損うもの、それが企業にとっては一番大きな痛手だ」と答弁しました。だから、企業イメージを落としたくないと思えば、企業みずから真剣に公害対策に取り組むはずだ、との主張であります。私はこれを聞いて、県の公害行政は基本姿勢が歪んでいると思いました。この間、明らかになったことは、企業というのは、汚染物質を垂れ流し、データを改ざんするという許しがたい反社会的行為をしても、それが表沙汰にならなければ、儲け第一に走り続けるということではないですか。だから、行政の毅然とした姿勢、住民の監視、チェックが不可欠なのです。■私は改めて知事にたいし、こうした企業に甘い姿勢をキッパリと清算して、県民の立場で毅然と公害行政にあたること、そのためにも住民参加の公害防止協議会の設置を要求して、答弁を求めます。

(6)三番瀬について
●次に、三番瀬について質問します。三番瀬の埋め立て計画がいったん白紙に戻されたあと、この豊かな自然をどう未来に残していくのかをめぐって、2年間の円卓会議やその後の再生会議など、活発な議論が行われてきました。こうした議論を踏まえて、県はいま、三番瀬再生計画の基本計画を決めようとしていますが、その内容は、再生会議でも指摘されているように、いまある三番瀬の価値を、最大限保全していくことが基本にすえられなければなりません。
 三番瀬の自然環境の豊かさは、8年前に行われた補足調査で明らかになりましたが、この間の市民調査でも新しい発見があいついでいます。かつては「ヘドロがたまっている」などと一部でいわれていた猫実川河口域でも、マハゼ、アナジャコ、イシガニ、ヤドカリなど、100種類以上の生き物が確認され、ウネナシトマヤガイなど、県のレッドデータブックに掲載されている生物がいることもわかり、あらためて三番瀬の生態系の豊かさが注目されています。
 なかでも、市川塩浜護岸の沖合約500メートルの海域に広がっている「カキ礁」の発見は、テレビでも報道され、全国的な注目を集めました。約5000平方メートルの広さをもつ「カキ礁」は、生きたカキが高密度で重なり合ったもので、直射日光をさえぎるため、普通の干潟には棲めない生き物も生息しています。また、強い波を抑え、他の生き物にエサを提供し、海水を浄化する役割も果たしています。現地を調査した専門家も、「こんなカキ礁を見たのは初めてで、何重にもタワーのように積み上がったそのすごさに圧倒された。規模も全国最大級で、大切に残すべきだ」と述べています。
 そこでうかがいますが、■知事は、全国から注目されている三番瀬の「カキ礁」の価値について、どう認識しているのでしょうか。■また、県が策定しようとしている再生計画が、三番瀬の豊かさや生物多様性を支えている「カキ礁」の存在を少しでも危うくするものであってはならないと考えますが、お答えいただきたい。
 こうした三番瀬の豊かで貴重な自然環境や生態系を保全していく上で、再生計画案で述べられている「現在残っている干潟・浅海域は保全するという原則」に立つことや、「海域をこれ以上狭めないことを原則とする」ことは、きわめて重要な点であり、すべての事柄を通じて守られなければならない「原則」だと考えます。
ところが、今、一部から猫実川河口域の干潟・浅海域を、市川の直立護岸から300メートル近くにわたって人工干潟にする案が提案されています。これだけ大規模に、三番瀬に砂を入れて人工的に砂干潟にしていけば、貴重な「カキ礁」に影響を与えるのは明らかです。また現在、この海域に生息している生物群は、泥干潟に適した生物であり、ここに大量の砂が投入されれば、それらの生物に壊滅的な打撃を与えることになります。
■いまある生態系の保全と、こうした大規模な人工干潟の計画は、絶対に両立しないと考えますが、知事の認識をお聞かせください。■また、「海域をこれ以上狭めない」という原則にも反するものだと思いますが、どうか。■さらに今後もこの原則が、あらゆる場で貫かれるべきだと考えますが、知事の答弁を求めます。

(7)国民保護計画について
●次に、千葉県国民保護計画についてです。国は、国民保護法は「国民を守るためのものだ」としていますが、日本共産党は「本当の狙いは、自治体や民間企業、住民を、自衛隊と共に、アメリカの戦争に強制的に動員するためのもの」と、厳しく批判してきました。
 県は、この有事法制・国民保護法に基づく県の計画を、今年度中に作成するため、土台となる「素案」を発表しましたが、その内容は、外国の軍隊が千葉県に上陸する場合、駅など大勢の人が集まる施設へのテロ攻撃があった場合、弾道ミサイル攻撃の場合などが想定され、避難・誘導の方法が、書かれています。例えば、弾道ミサイル攻撃の場合は、コンクリート施設や地下に避難・誘導をさせる、核兵器・毒ガス攻撃の場合は、頭巾で頭を保護し、靴は底の丈夫な運動靴を履き、風下方向を避け逃げる等々、事細かに指示しています。素案は170ページにも及ぶ膨大なものですが、戦争もテロもごちゃまぜ、しかも想定事態はあまりにも現実性に乏しく、全体として荒唐無稽の感が拭い切れません。■知事は、素案で想定しているような武力攻撃事態が起こると、本気で考えておられるのでしょうか、一体どこから攻撃されるというのか、見解をお聞かせ下さい。
 知事は昨年6月議会で「避難して下さい、道を空けてくださいというのが人権侵害なのか、見解の相違だ」とのべていますが、「戦争協力」を「避難誘導」と言い換えるゴマカシは許されません。また、「有事法制の中に想定されていることは軍事的攻撃、大規模なテロ、自然災害だ」と答弁しましたが、国民保護法の事態想定には自然災害はなく、そもそも戦争、テロ、自然災害、3つは、別々の事柄です。■それらを、混同させて、犯罪や災害への不安をいわば利用して、戦争協力づくりを進めることは許されないと思いますが、お答え下さい。
 そこまでして計画をつくる目的は、一体どこにあるのか。県自らが旗を振り、戦時に備える県民の協力体制づくり、ここに本当の狙いがあるのではないでしょうか。既に、ガス会社、鉄道・バス・トラックの運送会社、医療・マスコミなど29の団体・事業者が、「指定地方公共機関」に指定されていますが、例えば戦時の際、トラック業者は、他の仕事を放り投げて物資を運ぶことが義務付けられます。断れるのは車が故障の時だけです。
 住民も、交通規制で自由に道路を通行できなくなる、消防団や自主防災組織が国民保護の研修や訓練を促されるなど、国民保護の名のもとで、実際には問答無用で従わせられる、まさに、戦前の「国家総動員体制」を彷彿させるものではないでしょうか。■これが、暮らしと福祉を守ることを第一義的とする自治体が、やることなのでしょうか。戦争協力の下請け機関に変質させられてしまうのではないですか。知事の見解を伺います。
 しかも、私が極めて重大だと思うのは、県民は戦争への協力を事実上強制され、仮に拒んだ場合は、犯罪者にされるということです。たとえば知事は、医薬品、食料品、建設資材、燃料等々の保管命令をだすことができますが、従わない者は、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。また土地、家屋の使用にあたり、この立ち入り調査に協力しない者、妨げる者は、30万円以下の罰金が科せられます。国民保護法では、なんと11もの罰則規定がありますが、「言うことを聞かなければ処罰するぞ」と県民を威嚇し、否応なしに戦時体制に従わせる仕組みではないでしょうか。■知事、これでも憲法が定めた基本的人権は、守られるとお考えですか。それとも有事の際は人権が制限されてもやむを得ないとお考えなのか、お答えください。
 このような計画づくりは断じて認められません。中止すべきです。今、わが国がやるべきことは、憲法9条にそった国づくり、アジアを中心にした平和外交をすすめることです。知事もそのことを国にきちんと求めてこそ、600万県民の真の安全に責任をもてる、ということを強く指摘するものです。

(8)富浦学園について
●最後に、富浦町にある県立児童養護施設・千葉県富浦学園についてです。富浦学園は、現在100名の定員で、虐待や保護者がいないなど様々な事情や、障害や難病などをもった1歳から18歳までのこどもたちの養護、自立を目的とした施設です。県は、来月から館山市内で、新たに定員6名の地域小規模児童養護施設を開設するため、今議会に、富浦学園の定員を6名増やす議案を提案していますが、問題は職員配置です。遠く離れた全く別の場所で、子どもの定員を増やして、別個の運営をするのですから、正規職員の数が新たに増えるのは当然です。ところが県は増やさない、とんでもないやり方です。
 国は、小規模施設の設置基準として、正規職員2名の配置を義務付けていますが、県はその2名は富浦学園の今いる正規職員から引き抜いて配置し、富浦学園へのあと補充は、週4日30時間勤務の2名の嘱託職員だけだ、というのです。時間だけをみても、10時間も少ない嘱託に正規の代わりはできません。
 その結果、今子どもたちや職員に大きな痛みが押しつけられようとしています。まず正規職員の夜勤回数が増え、その分昼間の職員体制も手薄になってしまうなど、子どもと職員との触れ合いの時間が少なくなります。専門性をもった職員が、傷つき怯え時には反発する子どもたちとじっくり向き合うことこそ大切なのに、明らかな養育条件の低下です。
 更に今回は、年度途中のドタバタの人事異動となったため、6歳以下の小さい幼児の職員が、大きい児童の部屋に突然の異動で、いわば母親同然の職員が同じ敷地内で急に別のこども達の所にいってしまう、痛手は大きいとのことでした。園長や、職員からお話を伺いましたが、「やっと口を開いた子どもがショックで話せなくなることもある」「養護施設は、こどもと職員との愛着や信頼関係が何より大事です。その意味で今回の人事は打撃です」と苦しみを語っていました。知事には、この悲痛な声が聞こえないのでしょうか。
■正規職員を補充しないことが、こどもたちに大きな痛みを強いることになる。知事、この事実はお認めですか。■辛い体験を乗り越え生き抜こうとする子どもたちを、さらに苦しめるような事をしてよいのでしょうか。とりわけ処遇困難な子供たちに手厚い支援をするのが県立施設の役割なのに、知事のやっている事は逆さまではありませんか。■正規職員2名の欠員は、すぐに補充すべきです。お答え下さい。
 以上、第一回目の質問といたします。

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