さいとう和子さん 演説の一部――先日77歳の男性が、税の滞納による長生村の年金差し押さえで、餓死をされた事件がありました。 私も、新聞報道の翌日から、お二人の村議さんと連携し、調査をすすめてきました。「明らかに餓死だ、と鴨川署が認めた。男性は、あおむけに、大きく口をあけて亡くなられており、傍には、10円玉と5円玉ばかりの110円が残されたきりだった」と村議さんから聞かされ、愕然としました。 演説会でのみわ県議 千葉県はこの間、いま全国で大問題になっている滞納整理機構という、なんの法的根拠もない税取り立ての機構を3年前から立ち上げました。 この男性への年金差し押さえがやられたちょうど昨年の10月から12月に、直接県職員が、長生村の指導に入った、という事実が明らかになりました。こうした機構は止めよ、と党県議団は主張してきましたが、とうとうこのような惨事が起きてしまったのです。 参加者とお話する田村さん なぜこんな機構を作ったのか。県が村に入って何をしたのか。ご承知のように、この間、国民にすさまじい庶民大増税を国は押し付けてきました。その結果、県内でも、税や保険料を払えない─滞納が大幅に増えました。 本来ならば、県は、増税をキッパリ止めるよう国に働きかける、あるいは温かい救いの手を差し伸べるべきでした。 ところが、逆に県は、市町村の国保への県独自の補助金をゼロに廃止したばかりか、税の取り立てを強力に進めるために、滞納整理機構を作りました。県の説明では「特に、差し押さえの仕方を知らない、小さな町や村に、県職員が直接入って、差し押さえのノウハウを教えることが目的です。法律どおりにやってます」――というのです。その結果は、推して知るべし。この事件との直接の関与については県は、否定していますが…… 長生村の風景 これまで散々働いてきたのに、病気になったら、年をとったら、使い捨て。使い捨てどころか、最後の命綱――年金や手当まで容赦なく差し押さえられて、とうとう命まで奪われてしまう。こんな間違った政治を、私は日本共産党は、絶対許しません! 皆さんこれは、憲法第25条生存権を真っ向から踏みにじる、血も涙もないやり方ではないでしょうか。 村議会も共産党の質問がきっかけで、大きく動き始めました。国会秘書からも、連日この件で県議団に、何度も問い合わせがあります。県議会でも、この春からは、機構の人数を大幅に減らさざるを得なくなりました。 これは長生村だけの問題ではありません。この事件の背景には、国や県の間違った政治がある、ということを強く訴えたい、と私は思います。 そして皆さん、政治の場での日本共産党の力を、国でも地方でも広げに広げて、国民の命の守れる当たり前の政治を実現しようではありませんか。